【10月17日 AFP】アルバニアサッカー協会(FSHF)は16日、ピッチ上での乱闘騒ぎにより没収となった欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)予選の同国とセルビアの一戦で、選手や協会役員に対して試合前や試合中にコンクリートの塊や石、硬貨、ライターが投げつけられたと発表した。

 同国のアシスタントコーチを務めるアルティン・ララ(Altin Lala)氏は、ドイツ紙に対し、襲撃の間は命の危険を感じたと明かしている。

 両国がそれぞれの暴力行為を非難し合う中で、欧州サッカー連盟(UEFA)による調査が進められているが、FSHFのアルマンド・ドゥカ(Armando Duka)会長は、「徹底的で独立している」調査を求めている。

 FSHFの声明によると、試合前にはチームバスに対して石が、役員にはコンクリートの塊が、ピッチ上の選手には「硬貨やライターなどの物体」が投げつけられたという。

 試合では、「大アルバニア主義」を主張する旗をつけた無人機がスタジアム内を飛んだことをきっかけとして、両チームの選手の間で乱闘が始まったことで中断した。

 独紙ビルト(Bild)のインタビューでララ氏は、「死の恐怖を感じた。概して私はタフな人間だが、あのような嫌悪というものはこれまでに目にしたことはなかった。秩序を維持するはずのセキュリティーサービスもわれわれを襲った。ピッチからロッカーへ向かう通路では、警察官でさえも選手を襲っているのを目の当たりにした」とコメントした。

 ドゥカ氏はAFPに対し、「真実は明白だ。証拠はあるのだし、アルバニアとセルビア戦の試合前、試合中、試合後の事件については、何にもまして徹底的で独立している調査を求める。攻撃してきた人物は、セルビア司法を含めすべての機関から罰せられるべきだ」とコメントした。

 FSHFは、チームバスには「セルビアのファンから石が投げつけられ」、ドゥカ氏らには「コンクリート片が投げつけられ」たとしており、そのコンクリート片は調査のためにUEFAに提出されていると声明で述べている。

 試合前のウオームアップ中に観客は「アルバニア人を殺せ」、「アルバニア人に死を」と叫び、数人のファンがフェンスを乗り越えてピッチに入り、その後「通路に向かう選手たちには硬貨やライターなどの物体が雨あられと投げつけられた」という。

 さらに試合中には、交代選手としてウオームアップしていた3選手やピッチをめがけて「石や硬い物体、ライターに発煙筒」が投げ込まれたと声明は続けている。さらにセルビアのファンは、スツールで選手を殴打した。

 またFSHFは、試合中断後にはセルビアのファン、警備員、警察官がピッチを去るアルバニアの選手を殴打したとしている。(c)AFP/Briseida MEMA