【10月8日 AFP】(記事更新)世界有数の神聖な都市、エルサレム(Jerusalem)の通りが、2日間にわたって通行止めとなっている。――宗教行事のためではない。爆音をあげるF1カーを迎え入れるためだ。

 各マシンは6日と7日、ユダヤ教とイスラム教、キリスト教の聖地もあるエルサレム旧市街の外壁沿いを、猛スピードで駆け抜けた。年に1度のF1マシンのデモ走行、エルサレムF1ピースロードショー(Jerusalem F1 Peace Roadshow)が開催されるのは、今年で2回目だ。

 この地域が辿ってきた複雑な歴史は忘れがたく、今回のこのイベントも、イスラエルとパレスチナの軍事衝突が原因で、開催が数か月遅れた。イベント名も前年の「2013ピースロードショー」から変更されている。

 しかし、期間中のお祭りムードは相変わらずだ。

 エルサレムの旧鉄道駅近くの車庫には、フェラーリ(Ferrari)、アウディ(Audi)、ポルシェ(Porsche)のマシンが展示され、レースクイーンが車の横でポーズを取るとあって、中はTVスタッフと熱烈なF1ファンでぎゅう詰めになった。

 デモ走行では、旧市街の外壁沿いの2キロメートルのコースを、各マシンが時速240キロメートルで駆け抜けた。F1で通算3勝を挙げているジャンカルロ・フィジケラ(Giancarlo Fisichella)氏は、アスファルトを切り裂き、白煙と溶け落ちたタイヤの痕を残して、見物客の前を走り去った。

 ショーの雰囲気は、展示場に掲示されたスローガン、「すべてがコントロールできているようなら、まだまだスピードが足りない」に表れている。

 ショーの後援者で、ロシアのコンピューター・セキュリティー大手カスペルスキー・ラボ(Kaspersky Lab)の最高経営責任者(CEO)であるユージン・カスペルスキー(Eugene Kaspersky)氏は、将来、イスラエルでグランプリを開催するのも夢ではないと話した。

 カスペルスキー氏はAFPに対し、「もしかしたらいつの日か、イスラエルにF1がやって来るかもしれない」とコメントした。(c)AFP