■伝統と革新、多文化の「ビールの首都」

「大手企業で働くのは嫌だし、ベルリンを離れたくもない」というウィルコ・ベライト(Wilko Bereit)氏(38)は、2009年に事業パートナーと2人で地ビールブランド「ロールベルク・ビール(Rolllberg Bier)」を立ち上げた。「怠けているわけじゃない。やることは多い」と、強いベルリン訛りで話す。

 ベライト氏によれば、ロールベルク・ビールは昨年、18万リットルを売り上げた。取引先はベルリン市内と近郊のバーやレストラン46店舗だという。「本当に伝統的なドイツビールを造っているんだ」と同氏は誇らしげに言った。

「ベルリンはかつて、とても素晴らしいビールの首都だった。そして、少しずつその輝きを取り戻しつつある」と、ヒンツ氏はAFPに語っている。

「革命」の担い手たちの大半はベルリン工科大学(Technical University Berlin)でビール醸造技術を学んだ若手醸造家たちだが、海外からも新規参入がある。「バガボンド・ブロイライ(Vagabund Brauerei)」を立ち上げた米国人3人組の1人、30代のマット・ウォルソール(Matt Walthall)氏は、ドイツに来たばかりの頃はスーパーマーケットで他国産のビールをほとんど見かけなかったと指摘。ドイツ風味を追加した米国ビールを造っていると説明し、「ベルリンは非常に多文化的だ。僕たちのビールもね」と語った。(c)AFP/Eloi ROUYER