【9月9日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2014)は8日、米ニューヨーク(New York)市のUSTA・ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター(USTA Billie Jean King National Tennis Center)で男子シングルス決勝が行われ、大会第14シードのマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)は6-3、6-3、6-3で第10シードの錦織圭(Kei Nishikori)を退け、四大大会(グランドスラム)初優勝を飾った。

 25歳のチリッチは、2001年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)王者で、現在自身のコーチを務めるゴラン・イワニセビッチ(Goran Ivanisevic)氏以来となる、クロアチア出身のグランドスラム覇者になったと同時に、アジア勢男子初のグランドスラム制覇を目指していた錦織の夢を絶った。

 ドーピング違反で昨年大会(US Open Tennis Championships 2013)に出場することができなかったチリッチにとって、このタイトルは感慨深いものになったことだろう。

 チリッチはまた、世界ランク17位で2002年大会を制したピート・サンプラス(Pete Sampras)氏以来となる、下位シードでの全米オープン覇者となった。

 それでも、チリッチは優勝に見合うだけのプレーをみせている。錦織が迎えた9度のブレークチャンスのうち8度をしのいだチリッチは、17本のサービスエースと38本のウイナーで錦織を圧倒した。これには、ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)、そして世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を破った錦織もたじたじの様子だった。

 錦織と同様にグランドスラムで初の決勝進出を果たしたチリッチは、「ここ数年は厳しい練習をしてきたし、昨年からは一層の努力をしてきた。チームが僕に特別なものをもたらしてくれたんだと思う。とりわけゴランがね」と語った。

「本当に一生懸命やってきたけど、コーチが僕に教えてくれた一番のことは、テニスをプレーすることの喜びと、いつも楽しむことだ。ここで自分のテニスを楽しんだし、人生最高のプレーができた」

 チリッチは、ジョコビッチやロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、故障により欠場した昨年覇者のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)といった選手でさえも、負ける可能性があるのだと指摘した。

「頑張っていれば、それは報われるということを証明できたと思う」