【7月10日 AFP】海運大手の商船三井(Mitsui O.S.K. Lines)は9日、世界で初めて商用利用の北極海(Arctic Ocean)定期航路を2018年にスタートさせると発表した。輸送時間の短縮が狙い。

 中国海運(China Shipping)との合弁事業の一環で、砕氷LNG船3隻を用いてロシアのヤマル(Yamal)LNG(液化天然ガス)基地から欧州およびアジアへLNGを輸送する。

 砕氷船は、韓国の大宇造船海洋(Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering)に新たに発注したもので、総コストは約1000億円。

 1年のほとんどが氷に覆われて通常の船舶では航海不可能な北極海航路だが、スエズ運河(Suez Canal)を経由する航路と比較して輸送時間を4分の1、または約10日間、短縮できる。

 近年は温暖化の影響で北極海の氷床の融解が進み、新航路が開けたことから、これまでは開発不可能だった北極海資源に各国の関心が高まっている。(c)AFP