【7月1日 AFP】ウルグアイのホセ・ムヒカ(Jose Mujica)大統領が、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)でのかみつき行為で同国代表のルイス・スアレス(Luis Suarez)に出場停止処分を科した国際サッカー連盟(FIFA)の上層部を「ろくでなしども」と批判した。

 FIFAは、イタリア戦でジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)にかみついたスアレスに対し、9試合の出場停止処分、4か月のサッカー活動禁止処分、10万スイスフラン(約1100万円)の罰金を科しており、ムヒカ大統領はこの処分を、「ファシストの制裁」と批判している。

 国営テレビ局のスポーツ番組に出演したムヒカ大統領は、W杯について意見を求められると、スアレスへの処分に言及し、「FIFAにいるのは、ろくでなしの老人どもの集団だ」と発言した。

 発言後、ムヒカ大統領はハッと息を飲んだ様子で口を手でふさぎ、自分の発言が信じられないというジェスチャーを見せたが、直後には笑顔を見せている。

 記者からこの発言を公にできるか問われたムヒカ大統領は、「自分としては構わない」と答えた。

 ムヒカ大統領の隣でこの番組に出演していた大統領夫人のルシア・トポランスキー(Lucia Topolansky)議員は、「大統領の発言を支持する」とコメントしている。

 元極左ゲリラのムヒカ大統領は、「彼ら(FIFA)は彼(スアレス)を処分する立場にあるが、ファシストの制裁であってはならない」と語った。

 スアレスを欠いたウルグアイは、28日に行われた決勝トーナメント1回戦でコロンビアに0-2で敗れた。

 スアレスに対する処分は、ウルグアイ国内で厳しく批判されており、ムヒカ大統領は27日に帰国したスアレスをモンテビデオ(Montevideo)の空港で暖かく出迎えていた。

 ムヒカ大統領は、毎週行われるラジオ演説で27日、W杯の歴史においてスアレスへの処分は、「永遠に恥じることになるだろう」と語っていた。(c)AFP