【6月30日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で伏兵とみられているアルジェリアは、30日の決勝トーナメント1回戦でドイツを破り、32年前の借りを返して大番狂わせを演じる機会に燃えている。

 ポルトアレグレ(Porto Alegre)のエスタディオ・ベイラ・リオ(Estadio Beira-Rio)で激突する両チームは、1982年のスペイン大会でも対戦しており、そこではアルジェリアに軍配が上がった。しかし、30年以上前のこの大会は「ヒホン(Gijon)の恥」としてW杯に名を残すことになる。

 グループリーグで、当時の西ドイツは1-2でアルジェリアに敗れるが、その後1-0でオーストリアに勝利したため、得失点差でアルジェリアのグループ敗退が決まった。ところが、ヒホンで行われたこの試合は、西ドイツとオーストリアの両チームが決勝トーナメントに残れるように、結果が仕組まれたという疑惑が持ち上がったのだ。

 ドイツ代表を率いるヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は、リベンジに燃えるアルジェリアとの因縁対決については軽く受け流しながら、アルジェリアとの3度目の対戦で初勝利を収めることが目標だと述べた。

 レーブ監督は、「ほとんどの選手は、その当時生まれてもいなかったし、30年も前の出来事は今大会とは関係ない」とコメントした。 

 しかし、対戦するアルジェリア代表のヴァイッド・ハリルホジッチ(Vahid Halilhodzic)監督は、決勝トーナメント進出を決めて以降、チームが「忘れてはいない」ことを明らかにし、1982年の借りについて詳細に語った。

 ハリルホジッチ監督は、「1982年の出来事については誰も忘れていない。選手たちも、その時のリベンジに燃えることだろう。だが、ドイツも8強入りを懸けて全力を傾けてくるはずだ」と述べた。

 アルジェリアのラフィク・ハリシェ(Rafik Halliche)は、チームが同時に大勝を目指すともコメントしている。

 27歳のハリシェは、「あれは1982年の出来事であり、僕たちの目の前には今、2014年の大会で8強に入るチャンスがある。厳しい試合になるだろうが、みんな集中力を高めている」と意気込んだ。

 一方のレーブ監督も、ここで油断したり、7月4日にリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で行われる準々決勝の相手が、フランスかナイジェリアかなどと勘ぐらないよう、チームに注意を喚起している。

 54歳のレーブ監督は、「フランスのことは念頭にないし、16強に残ったチームを侮ることは間違いだ」と主張した。

「目の前の一試合一試合に集中することが非常に重要で、先のことは考えるべきではない」

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