【5月15日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)まで残り1か月を切ったなかで、ブラジル代表を率いるルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督に対し、ポルトガル当局から脱税の容疑がかかっていることが分かった。14日、同国検察の広報担当者がAFPに明かした。

 報道によれば、2003年から2007年にかけてポルトガル代表の指揮官を務めたスコラーリ監督には、700万ユーロ(約9億8000万円)の所得を隠した疑いがかかっている。

 指揮官は不正行為を強く否定しているが、捜査の経過次第では、6月12日のW杯開幕に向けた開催国ブラジル代表の準備に影響が出る恐れもある。

 2002年にブラジル代表を率いて母国をW杯日韓大会(2002 World Cup)優勝に導いたスコラーリ監督は、母国開催のW杯を前にブラジル代表の指揮官に復帰し、チームは優勝候補と目されている。

 監督はポルトガル代表を率いた2006年のW杯ドイツ大会(2006 World Cup)でも、チームを4強に導いている。

 オランダのヘット・フィナンシェラ・ダグブラッド(Het Financieele Dagblad)氏によれば、同監督はオランダに拠点を置くチャテレラ・インベスターズ・リミテッド(Chaterella Investors Limited)、フランボヤンツ・スポーツ(Flamboyants Sports)という二つの会社から収入を得ていた。

 また、捜査を行っているポルトガルの中央捜査検察局は、その収入が米国へ送金されてからスコラーリ監督の元へ渡ったとみており、米国当局にも協力を依頼しているという。同紙は、監督がバハマ等のタックスヘイブン(租税回避地)を経由して金銭を受け取ったと報じている。

 この報道に対してスコラーリ監督は、「納税申告はすべて正しく行ってきた」と声明を発表した。

「これまで働いてきたどの国でも、収入は常に申告してきたし、それに間違いがないことに絶対の確信を持っている」

 スコラーリ監督は「もし何か過ちがあるとすれば、それは私がやったことではない」とし、捜査当局は「あらゆる事実」を好きなだけ調べてほしいと語った。(c)AFP