新聞には死骸が爆発寸前であるかのような見出しが躍っているものの、実際の爆発リスクは小さく、けが人が出る可能性も低い。爆発させる場合は、穿刺が必要とみられている。ロイヤルオンタリオ博物館のマーク・エングストロム(Mark Engstrom)氏は「(爆発リスクは)みな誇張されている」と指摘し、死骸を放置すれば膨張は自然にしぼむと付け加えた。

■天まで届く悪臭

 エングストロム氏と同氏の研究者チームは来週カナダ最東のニューファンドランド島に向かい、クジラの死骸を解体する。巨大な刃物で皮膚と脂肪部位を除去して骨格を残し、これを分解して博物館に持ち帰る。組織については、検体を採取して冷凍する予定だ。同氏は解体作業について「天高く上る悪臭が漂うだろう」とコメントした。

 同氏によると、同博物館に持ち帰った骨格の洗浄は手間のかかる作業になるため、最大2年を要する見通し。その後、骨格と組織の検体は同博物館の研究資料コレクションに保管され、世界各地の研究者が利用可能な形になる。将来的には展示の可能性もあるという。

 こうした中でも、死骸がどうなっていくのか見守る動きは続いている。2日に「hasthewhaleexplodedyet.com」に掲載された地元記者のツイートはこう述べている。「クジラの爆発を期待している皆さんをがっかりさせて申し訳ないが、膨張はしぼんでおり、爆発はおそらく起きないだろう」(c)AFP/Michel COMTE