【2月4日 AFP】カナダのある男性が、妊娠中の妻が脳死と診断された悲劇について、インターネット上のブログで自分の思いをつづっている。

 この男性は、ディラン・ベンソンさん(32)。妻のロビンさんは妊娠22週目だった12月末に脳出血に見舞われ、その後、脳死と診断されたが、出産するまで生命維持装置によって延命されている。医師らは帝王切開が可能な34週目を迎える3月末まで延命措置を続ける方針だが、その後、装置は外される予定だ。

「かたや息子に会うのが待ちきれず、彼に可能な限り最高の人生を与えてあげたい、彼にとって素晴らしい父親になれるように全力を尽くそうと思う。一方で、息子が生まれる日、あるいはその次の日が、ロビンにさよならと言わなければならない日なんだ。心の底から彼女が恋しい」とベンソンさんはブログにつづっている。

 ベンソンさんは毎日ロビンさんの病床を見舞っていることや、新生児集中治療室を見学していることも記している。また、ベンソンさんの話を聞いたタクシー運転手が病院に軽食を持ってきてくれたことなど、見知らぬ人たちの優しさにも触れている。

 ロビンさんが入院しているとされる病院の広報担当者は、個人情報の保護の観点から詳細は明かせないと述べつつ「もうすぐ母親になる人が脳死状態で、生命維持装置を付けているという状況はまれな悲劇だ」と語った。

 北米では前月、米テキサス(Texas)州で、家族の意志に反して生命維持装置で延命措置を受けていた妊娠中の女性について、尊厳死を求める裁判を家族が起こした結果、装置が取り外された。(c)AFP