【12月20日 AFP】欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)は19日、天の川銀河(Milky Way)のこれまでで最も詳細な「地図」作製を目的とした高性能望遠鏡の打ち上げに成功した。望遠鏡は銀河の星10億個を検出し、地球の正確な位置を測定するという。

 ESAがインターネット中継で伝えたところによると、ソユーズSTB(Soyuz-STB)フレガートロケットに搭載されたガイア(Gaia)望遠鏡は、仏領ギアナ(French Guiana)のクールー(Kourou)にあるESAの宇宙基地から無事に打ち上げられたという。

 ガイア望遠鏡は打ち上げから42分後、4段ロケットの最終段から切り離された。ミッションの管制官によると、すべて順調に進んでいるという。

 7億4000万ユーロ(約1053億円)の費用が投じられ、欧州で作られた宇宙望遠鏡としては最も高性能なガイアは、銀河系内にある星の約1%に相当する星10億個の「天文学的全数調査」を行うことを目的としている。

 ミッションでは、最大70回の観測を繰り返し行う。観測で得られたデータは、星の距離、速度、方向、運動などを計算して銀河系の太陽系近傍の立体(3D)地図を制作するために提供される。

 観測対象とする星の数は、1990年代初めに運用されたヒッパルコス(Hipparcos)望遠鏡の約50倍になる予定。ヒッパルコスで得られたデータは、金字塔的な参照ガイドとして現在も多くの天文学者らに広く使用されている。