■「系外惑星」、「小惑星」、「超新星」の観測監視も

 またガイアは、われわれの太陽系の外側にある惑星、いわゆる「系外惑星」の探査も助けると考えられている。ガイアの寿命5年間の間に5万個ほどの系外惑星を発見できるかもしれないと天文学者らは期待している。

 ガイアは、惑星が星の前を横切る際に発生する光の「ゆらぎ」を測定して系外惑星を検出する。惑星の重力の影響で、望遠鏡に到達する星の光にわずかな「偏向」が生じ、「ゆらぎ」となる。

 また地球に脅威を及ぼす恐れのある小惑星の探査を助けるため火星と木星の間にある小惑星帯を観測するほか、リアルタイムで観測されることがめったにない「超新星」と呼ばれる遠方の星の爆発現象も常時監視する。

 総重量2.03トンのガイア望遠鏡について仏国立宇宙研究センター(CNES)は、「非常に高感度なので、1000キロ先の毛髪の直径に相当する距離も測定できる」とウェブサイトで述べている。

 ESAによると「ヒッパルコスが月面に立っている宇宙飛行士の身長に相当する角度を測定できたとすると、ガイアはその宇宙飛行士の親指の爪の長さを測ることが可能だ」という。

 ESAはガイアの「生データ」を解析するため、所属する施設30か所をつないでネットワークを構築し、約450人の人員を配置している。この中には、仏南西部トゥールーズ(Toulouse)のCNESの基地にあり、1秒間に6兆回の演算を行えるスーパーコンピューターも含まれている。

 ガイアで得られる膨大な量のデータを使用可能な地図やカタログに変換するには今後数年を要する見込みだという。(c)AFP/Richard INGHAM