【11月1日 AFP】米連邦航空局(Federal Aviation AdministrationFAA)は10月31日、旅客機内での各種携帯用電子機器の使用を近く解禁すると発表した。これまで、離着陸時や滑走路上の移動時に禁止されていた電子機器の使用が、フライトの全段階で可能になるという。

 解禁措置は、FAA管轄下の米航空会社が運航する国内・国際便の多くで今年末までに適応される見込みだが、フライト中の携帯電話での音声通話は、米連邦通信委員会(Federal Communications CommissionFCC)の規則により、引き続き禁止される。

 FAAによると、電子書籍リーダーでダウンロード済みのコンテンツを読むことやゲーム機器で遊ぶことに安全上の問題は基本的に生じないという。ただし、悪天候による視界不良などによりデバイスの電源を切ることが求められる特別なケースも否定できないようだ。

 マイケル・フエルタ(Michael Huerta)FAA長官は「着陸システムの中には、(電子機器の)干渉に対する耐性が証明されないものもあるかもしれない」と述べつつも、その割合は「とても小さい。フライトの1%ほどだ」と説明している。

 この度の規制緩和は、フライト中の電子機器使用をめぐる問題を調査するために昨年開催された委員会からの勧告を受けたものだ。委員会は、操縦士や乗客、客室乗務員、航空機製造業者や、モバイル技術業界の専門家から意見を聞いた。

 委員会はまた、FAAに対し、個人向け電子機器の使用の拡張が「全世界で認められる」よう、各国の規制当局と協力するべきとも勧告した。欧州航空安全局(European Aviation Safety AgencyEASA)もまた、フライト中の携帯用電子機器使用の解禁を検討している。(c)AFP