【10 月10日 AFP】圧倒的な強さが退屈とまで言われ、ブーイングを浴びせられているレッドブル(Red Bull)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)だが、13日に鈴鹿サーキット(Suzuka circuit)で決勝が行われる13F1第15戦日本GP(Japan Grand Prix 2013)では4年連続の総合優勝がかかっており、名ドライバーの仲間入りが目前に迫っている。

 ベッテルが日本GPを制して指を立てるいつものポーズを披露し、総合2位につけるフェラーリ(Ferrari)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)が下位に沈めば、故ファン・マヌエル・ファンジオ(Juan Manuel Fangio)氏、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏に続き、史上3人目の総合4連覇を達成する。

 実現すればベッテルは弱冠26歳でアラン・プロスト(Alain Prost)氏の総合優勝回数4回に並び、1950年代に5度のドライバーズタイトルを手にしたファンジオ氏の記録にあと一つまで迫ることになる。

 そして、F1を席巻するレッドブルで来季も総合優勝を果たすことができれば、ベッテルは2000年から2004年にかけてフェラーリで5連覇を達成したシューマッハ氏にも肩を並べる。

  今季のベッテルは、ほかの選手を寄せ付けないその強さのあまり、各地で不当なブーイングを浴びている。そのためファンの間では、ベッテルの実力に敬意を払うべきか、それともより緊迫した争いが見たいと声を上げ続けるべきかで、議論が巻き起こっている。

 ベッテルは6日の韓国GP(Korean Grand Prix 2013)決勝でポールトゥウィンを飾り、2位アロンソとのポイント差を77点に広げた。

 残り5戦で獲得可能なポイントは最大125点のため、日本GPでアロンソが8位以内に入ることができなければ、ベッテルの総合優勝が確定する。

 ベッテルは今季14戦終了時点で8勝を挙げており、2011年に記録した自己最多のシーズン11勝の更新へ突き進んでいる。その2011年シーズンでも、ベッテルはお気に入りの鈴鹿で総合優勝を確定させている。

 ベッテルは「すごくいい状況に見えても、まだ決まったわけじゃないから、安心しすぎてはいけない」とコメントした。

「フェルナンドにもまだチャンスはあるのだから、僕たちはトップを目指し続けなければいけない」

(c)AFP/Alastair Himmer