【8月27日 AFP】スロバキア財務省は26日、来月から国内で発行するすべての買い物のレシートを宝くじ券として登録できるようにする方針を発表した。脱税防止が目的だという。

 レシートを受け取った人が記載されている通し番号を国営の宝くじ運営機関に登録すると、その中から毎回10通りの数字列が、月に2回行われる抽せん会で当せん番号として選ばれる。1等賞金1万ユーロ(約131万円)を筆頭に現金や新車が当たる。

 ペテル・カジミール(Peter Kazimir)財務相は「これをきっかけに、買い物をするたびにレシートを要求することを習慣にしてもらい、脱税防止につなげたい。私たちの大半は、レシートを要求することがほとんどない。そして、そのためにどれほどの金額が『灰色経済』(無認可または非公式な経済活動)の中に消えているか、知らない国民もいる」と導入の意図を説明した。

 スロバキアでは、書籍や医薬品、コンタクトレンズのような医療関連製品などに軽減税率の10%、その他の物品に標準税率の20%と、2種類の付加価値税(VAT)が課されている。売り手側はレシートを発行せずに物品を販売すれば、基本的にVATの支払いを避けることができる。財務省によると、こうしてスロバキアで灰色経済の中に消え、失われている税収は毎年約1億5000万ユーロ(約196億7000万円)に上るという。

 一方、グルジアでも昨年、同様の「レシート宝くじ」が導入されたが、歳入に大きな変化はなく、開始から7か月で中止されている。(c)AFP