【3月8日 AFP】イタリアの裁判所は7日、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)前首相(76)に対し、当局の盗聴記録を新聞社に漏えいした罪で禁錮1年の判決を言い渡した。

 ベルルスコーニ氏の傘下にあった日刊紙ジョルナレ(Il Giornale)は2005年、大手保険会社ウニポル(Unipol)による国立労働銀行(BNL)の買収計画に関する盗聴記録を掲載。盗聴記録の報道は、06年の選挙を前に中道左派・民主党の当時幹部の信用をおとしめる意図があったとみられ、前首相は秘密情報を漏えいした罪に問われていた。

 ベルルスコーニ氏は今回の判決を受け、「20年間続いてきたこういった裁判による迫害には耐えられない」との声明を発表。自身も新聞やテレビで行われた「数千」もの情報漏えいの被害者だが、訴訟を起こしても一度も審理されたことはないと指摘し、判決は不当だと語った。

 ベルルスコーニ氏は控訴が可能。また、イタリアの司法制度では、75歳を超える被告人が2年未満の禁錮刑を言い渡された場合、実際に収監する必要はないとされている。

 同氏はまた、脱税と未成年者買春の2件の罪で裁判にかけられており、ともに今月中に判決が言い渡されることになっている。(c)AFP/Dario THUBURN