【7月2日 AFP】サッカー欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)は1日、共催国ウクライナのキエフ(Kiev)で決勝が行われ、前回王者のスペインが4-0でイタリアを退け、欧州選手権で大会初の連覇を達成するとともに、2010年サッカーW杯(2010 World Cup)と合わせて史上初の主要国際大会3連続優勝の快挙を成し遂げた。

 一部から批判を受けていたビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)監督率いるスペインは攻撃的なサッカーを繰り広げ、代表チームの黄金期がいまだに続いていることを証明した。

 準々決勝でイングランド、準決勝でドイツをそれぞれ下したアズーリ(イタリア代表の愛称)だったが、その勢いは衰え、準決勝で活躍したマリオ・バロテッリ(Mario Barwauh Balotelli)は輝きを放つことはできず、アンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)はスペインの中盤の選手が見せた巧みなパス回しにお株を奪われた。

 ポルトガルとの準決勝で先発から外れたセスク・ファブレガス(Cesc Fabregas)を起用し、6月10日に行われたグループリーグ初戦のイタリア戦で採用した「ゼロトップ」で試合に臨んだスペインの軸となったのは、シャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)とアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)だった。

 前半14分、イニエスタがセスクに絶妙なスルーパスを送ると、ジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)の裏をとってクロスを上げ、これをダビド・シルバ(David Silva)が先制点を奪った。同41分にはシャビがジョルディ・アルバ(Jordi Alba)の得点の起点となり、スペインは前半だけで2得点を奪い試合の主導権を握った。

 前半20分にキエッリーニが負傷してフェデリコ・バルツァレッティ(Federico Balzaretti)との交代を余儀なくされていたイタリアのクラウディオ・チェーザレ・プランデッリ(Claudio Cesare Prandelli)監督は、後半開始からアントニオ・カッサーノ(Antonio Cassano)に代えてアントニオ・ディ・ナターレ(Antonio Di Natale)を投入した。

 すぐにディ・ナターレはイニャツィオ・アバーテ(Ignazio Abate)のクロスからヘディングシュートを狙うも、ボールはクロスバーをわずかに越えて得点には繋がらなかった。

 さらにイタリアは、後半12分に投入したティアゴ・モッタ(Thiago Motta)がそのわずか5分後に負傷してプレー続行不可となり、交代枠を使い切っていたため10人での戦いを強いられた。

 するとスペインは後半39分、再びシャビのパスから途中出場のフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)が3点目を挙げ、同43分にはトーレスのアシストからフアン・マヌエル・マタ(Juan Manuel Mata)が追加点を挙げ、試合を決定付けた。

 2008年大会決勝のドイツ戦で決勝点を挙げているトーレスは、2度の欧州選手権決勝で得点を記録した初の選手となった。また決勝戦での4点差の勝利は、旧西ドイツが3-0で旧ソビエト連邦に勝利した1972年大会を上回る最大得点差となっている。(c)AFP/Tom Williams