【1月2日 AFP】豪カンタス航空(Qantas Airways)が、楽器を乗客が手荷物として機内に持ち込むことを禁止したところ、ミュージシャンがソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフェースブック(Facebook)で抗議運動を起こし、結局この措置は撤回された。

 カンタス航空は、バイオリンとビオラを除く全ての楽器類を預け荷物扱いとして貨物室で輸送する措置を導入した。これに反対の声をあげたのがサックス奏者のジェイミー・オハラ(Jamie Oehlers)氏。「20年も飛行機で移動してきたが、初めてサックスを預け荷物にさせられた」

 だが、貨物室で運ばれたサックスは破損し、修理に1200ドルもかかった。このため、オハラ氏が「ばかげた措置」が撤回されるまでカンタス航空の利用をボイコットするようフェースブックを通じてミュージシャンらに呼びかけたところ、豪管弦楽団のメンバーなど8700人を超える人々が賛同した。なかには、同様にカンタス航空の貨物室で運ばれて破損した楽器の写真や体験談を寄せた人もいた。

 これに対しカンタス航空は12月30日、楽器を預け荷物扱いにする措置を12月24日に撤廃したと発表した。これにより同航空では長さ81センチ、高さ30センチ、奥行き19センチ以内の楽器は手荷物として機内に持ち込めることになった。

 カンタス航空では、オハラ氏のフェースブックでの運動は承知しており、オハラ氏と連絡をとったことも認めたが、撤廃措置は顧客から同航空に直接寄せられた意見を反映したものだと説明している。(c)AFP