【6月10日 AFP】(一部訂正)女性作家による英文小説に与えられる英文学賞オレンジ賞(Orange Prize for Fiction)に、米作家バーバラ・キングソルヴァー(Barbara Kingsolver)の小説『The Lacuna』が選ばれた。賞金は3万ポンド(約398万円)。

 審査委員長のデイジー・グッドウィン(Daisy Goodwin)氏は受賞作について、「息をのむようなスケールで痛切な時代を描いた」と評した。審査委員の意見は当初まったく異なっていたが、最後には妥協することなく皆同作を支持したという。

『The Lacuna』はキングソルヴァーが9年ぶりに執筆した6作目の小説で、米国生まれの若者ハリソン・シェパード(Harrison Shepherd)の物語。メキシコで育ったハリソンは、そこで芸術家のフリーダ・カーロ(Frida Kahlo)やソ連からの亡命者でボリシェビキ派だったレフ・トロツキー(Leon Trotsky)と出会う。こうした人物たちと付き合いがあったため、のちに米国に戻ったハリソンは取り調べを受けることになる。

 キングソルヴァーの代表作は、小説『ポイズンウッド・バイブル(The Poisonwood Bible)』。(c)AFP