imagetoday(c)KOREA WAVE
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【03月28日 KOREA WAVE】韓国全羅南道新安郡の小さな島の村で小中高校をすべて卒業したムン・ジョンウォンさんは、ソウル大学医学部合格という大きな夢を実現した。塾の授業を受けるには船に乗って往復4時間かかる木浦まで行く必要があったが、ムンさんはタブレットPC一つでソウルの最上位の大学生の家庭教師を受け、夢を現実のものとすることができた。

教育機会の地域間格差は、韓国が直面している最も喫緊の社会問題の一つとされている。中央政府や各地方自治体がさまざまな対策を打ち出しているものの、首都圏への教育インフラ集中の現象はむしろ深まる傾向にある。このような地域間の不均衡は、結果として生徒の教育機会そのものを差別化する結果を招いている。

最近発表された2024学年度の全国医学部新入生のデータは、こうした教育格差の現状を赤裸々に示している。医学部新入生全体のうち首都圏出身は45.8%、その中でも江南3区出身が13.3%に達していた。

問題は、地方の生徒たちが公教育の不足を補うだけの私教育を受けるのが難しい状況にあるという点だ。教育の二極化によって地方の塾は消え、地域に根を下ろしていた優秀な講師たちも首都圏へと流出していった。実際、全国の私塾の約半数である49.5%が首都圏に集中しており、全羅南道はわずか3%に過ぎない。

こうした地域間の教育格差がますます深まる中、エドテック(EdTech)の活性化が格差解消に貢献することが期待されている。特に動きの速い私教育市場では、エドテックの活性化による変化の兆しが現れ始めている。2019年6月にタブレットPCを活用した1対1のオンライン家庭教師サービスを始めた「ソルタップ」が代表的な例だ。

ソルタップ(SEOLTAB)はムン・ジョンウォンさんのケースのように、鬱陵島、智異山、済州島など、いわゆる“教育の僻地”と呼ばれる地域の生徒にも質の高い非対面教育を提供している。ソルタップを利用する生徒のうち、ソウル以外の地域に住む生徒の割合は77%に達する。

ソルタップの強みは、単なる技術プラットフォームではなく、「人」中心の教育を志向している点だ。現在ソルタップには約1万8000人のメンターが在籍しており、すべて現役の名門大学生だ。彼らは自身のリアルな受験経験とノウハウをもとに、受験生に実質的な助けを提供している。単なる教科指導を超え、受験に対する不安へのメンタルケアまで手掛けるのが特徴だ。

実際にソルタップを利用している生徒の60%以上が、他の私教育を受けずにソルタップだけを活用しているほど、サービスへの満足度と依存度は高い。特にタブレットPCを活用したリアルタイム双方向コミュニケーションは、オフラインの家庭教師に劣らぬ学習効果を提供しているという評価を受けている。

業界関係者は「教育環境の地域的な不均衡は、生徒たちの将来の機会にも影響を与える。都市中心部から離れるほど質の高い教育を受けるのが難しくなり、それは結局、大学進学率や就職機会の格差につながる。デジタル技術の進歩は、こうした格差を解消しうる新たな可能性を提示している」と語った。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News