【3月21日 AFP】英国でウクライナの安全の保証に向けた西側諸国の軍高官による会合が開かれたのを受け、ロシア大統領府(クレムリン)は20日、欧州諸国が平和を求めずに「軍国主義化」を計画していると非難した。

フランスや英国などの欧州主要国は、ドナルド・トランプ大統領が1月に就任して以来、米国がもはや欧州防衛に尽力していないとの懸念から、軍事費の増額を模索している。

ロシアはトランプ氏との関係を密にするにつれ、3年以上続くウクライナ侵攻をめぐる怒りの矛先を欧州に振り向け、和平への障害は主に欧州連合(EU)と英国だと非難している。

クレムリンのドミトリー・ぺスコフ報道官はAFPを含むメディアに対し、「EUと欧州諸国からのシグナルは、大部分が欧州の軍国主義化計画に関するものだった」「欧州は自らの軍国主義化に着手し、戦争屋じみてきた」と述べた。

英国のキア・スターマー首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ロシアとウクライナの停戦後、ウクライナに平和維持部隊を派遣する用意があると述べているが、ロシアはこの考えに猛反対している。

マクロン氏は、フランスの「核の傘」を欧州全域に拡大することについて議論を始めるとも述べている。

ロシアのセルゲイ・ショイグ安全保障会議書記は20日、こうした発言は「現在欧州にまん延している反ロシア感情を反映」していると指摘した。

また、ドイツの次期首相就任が確実視されるキリスト教民主同盟(CDU)のフリードリヒ・メルツ党首が、ロシアは「欧州侵略戦争」を仕掛けていると主張して国防費の大幅増額を提案したことについて、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は「ドイツの政治エリートの歴史的復讐(ふくしゅう)心」を反映したものだと指摘。

ロシア側に攻撃計画はないが、「ドイツがそのような発言をするということは、ドイツには攻撃計画があるということだ」と付け加えた。(c)AFP