ロシアが全面停戦案を事実上拒否 ゼレンスキー氏
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【3月19日 AFP】ロシアがウクライナのエネルギー施設への一時攻撃停止に同意した数時間後に民間インフラを相次いで攻撃したのを受け、ウクライナは19日、ロシアが米国に支持された全面停戦案を事実上拒否したと非難した。
米国は3年以上続くウクライナ紛争のより包括的な解決に向けた第一歩として、30日間の全面停戦を求めてきた。
だが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は18日に行われたドナルド・トランプ米大統領との90分間の電話会談で、西側がウクライナへのすべての軍事援助を停止しない限り応じられないと主張し、全面停戦案を拒否。代わりにウクライナのエネルギー施設への攻撃を30日間停止することに同意した。
ロシア大統領府(クレムリン)によると、プーチン氏はすでにウクライナのエネルギー施設への攻撃を30日間停止するよう軍に命じた。
ゼレンスキー氏はエネルギー施設への攻撃停止を歓迎する一方で、米国からもっと「詳細」な情報が必要だと述べた。
ロシアはウクライナ侵攻中、ウクライナのエネルギー施設への壊滅的な攻撃を行っている。ウクライナも無人機を使ってロシアの石油施設を何度も攻撃している。
トランプ氏とプーチン氏の電話会談の数時間後、ウクライナでは爆発音と空襲警報が鳴り響いた。
ゼレンスキー氏は、スムイの病院などの「特に民間インフラが攻撃を受けた」と説明。
「ロシアによるこうした夜間の攻撃が、ウクライナのエネルギー部門やインフラ、国民の日常生活を破壊している」「プーチンはきょう、全面停戦案を事実上拒否した」と非難した。
首都キーウの住民も、プーチン氏が何らかの譲歩をすることを疑問視していた。
32歳の市民はエネルギー施設も攻撃を免れられるとは思っていなかったとして、「プーチンの言葉は一言たりとも信じない。彼は力しか理解できない」と述べた。(c)AFP