【3月19日 AFP】英国・ロンドンで先月、スマートフォンを預けて、夜の2時間をクラブで一緒にゆったりと過ごそうというイベントが開かれた。イベントには150人以上の若者が参加した。

このイベントは「オフライン・クラブ」が主催。2時間の「デジタル・デトックス」チケットは発売とほぼ同時に完売するほどの人気だった。参加者の年齢層は主に20~35歳。多くの若者がネット上ではなく、リアルな世界で集まりたいと考えているようだ。

参加者は9.5ポンド(約1800円)を支払い、入り口で電源を切ったスマートフォンを預けると、本を読んだり編み物をしたりと好きなことをしながら、思い思いのひとときを過ごしていた。

イベントの主催者は取材に対し「参加者は無理やり『スマホを持たない』状況に置かれる。最初の段階でスマホを預けるので、文字通り、気が散ることはない。(中略)イベントのチケットはどこも完売している。皆、本当はスマホから離れたいと思っている証しだ」と話した。

推計によると、英国の若者は1日4時間以上スマートフォンを利用しているというが、参加者の一部からは「スマホの使用時間はもっと長い」という声も聞かれた。

35歳の参加者は「仕事のない週末は特に、1日6~8時間はスマホを使っている。スマホにとらわれているというか、ある意味、中毒みたいなものだ」と話した。

このイベントはロンドンでは昨年から開催されていて、これまでに2000人以上が参加。他にもフランス・パリやスペイン・バルセロナなど、各都市で開かれている。

ただ、皮肉なことに、イベントの開催ついては、多くの参加者がSNSを通じて知ることが多いという。映像は2月13日撮影。(c)AFP