【5月9日 CNS】中国の若者たちの間で、中古品の売買が流行している。使わなくなった大型の家具や家電から電化製品や書籍、スキンケア用品、衣類などの日用品に至るまで、売買される中古品の種類は多岐にわたる。

 清華大学エネルギー環境経済研究所によると、中国の中古品の取引規模は2015年に約3000億元(約6兆4579億円)だったが、2020年には1兆元(約21兆5266億円)を突破し、2025年には3兆元(約64兆5798億円)に近づくと予想されている。

 中国最大の中古品取引プラットフォーム「閑魚(Xianyu)」の1日の平均取引量は10億元(約215億円)を超えている。閑魚のユーザーは1995年以降に生まれた10代と20代が43%を占める。若者たちの間では、オンライン取引プラットフォームだけでなく、実店舗のリサイクルストアや中古品のフリーマーケットも人気だという。

 若者たちが中古品売買に熱中する背景には、環境に配慮したリサイクル消費が意識されるようになったことがある。若い消費者たちは、環境への負荷を意識して持続可能な消費を続けたいと考えているのだ。また、中古品市場の拡大には近年のレトロブームも影響しているといわれる。

 閑魚を例に挙げると、2023年にユーザーたちの取引によって削減された二酸化炭素削減量は累計300万トンを超えた。これは中国では224万世帯の電力消費による二酸化炭素排出量に相当する。

 一方、中国の中古品市場は初期段階にあり、売買メカニズムなどの改善が必要とされている。中古品に品質基準を設定することは難しく、業界の参入障壁も低いため、消費者の保護が課題になっている。業界関係者らは、消費者保護のため、より革新的な中古品売買メカニズムを模索していく必要があると考えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News