【5月9日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は8日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)南部の病院には、燃料が3日分しか残っていないと述べた。検問所が閉鎖されているためとした。

 イスラエルは7日、南部ラファ(Rafah)に戦車を送り、エジプトとガザを結ぶ検問所を制圧した。同検問所は、ガザへの支援物資搬入のための主要経路となっていた。

 テドロス氏は、WHOが8日に搬入されるとみていた燃料が止められたことを明らかにした。「(ラファ)検問所の閉鎖により、国連(UN)による燃料搬入が阻止されている。燃料がなければ、人道支援活動はすべて停止する。検問所の閉鎖で、ガザへの人道援助物資搬入も妨げられている」とX(旧ツイッター)で述べた。

 また「ガザ南部の病院には、3日分の燃料しか残っていない。これは活動がすぐにでも停止する可能性を意味する」とも指摘している。

 テドロス氏はさらに、ラファの病院3施設のうちの一つ、ナジャール(Al-Najjar)病院が、付近での持続的な敵対行為と軍事作戦のために閉鎖されたとし、「人道支援活動へのてこ入れが急務となっている中、ラファでの軍事作戦は、十分な食料や衛生環境、医療体制や身の安全が確保できない多数を支援するための(WHOの)能力をさらに制限するものとなっている」と訴えた。(c)AFP