ソウル江南のブックカフェ(c)MONEYTODAY
ソウル江南のブックカフェ(c)MONEYTODAY

【05月01日 KOREA WAVE】ソウルで携帯電話持ち込み禁止のブックカフェが若者の間で人気を集めている。

24日午前、ソウル江南(カンナム)大通りから歩いて5分ほど坂を上ると1軒のブックカフェがあった。店内にはクラシック音楽が流れ、本をめくる音しかしない。

このカフェに入るためには携帯電話をカウンター横のロッカーに預ける必要がある。ノートパソコンの使用にも制限がある。

読書に集中できるよう、使い捨て耳栓や読書台、毛布などが備え付けられており、ソファは窓に向かっている。

客は不便に思いながらも満足しているようだ。就活生(27)は「来るのに勇気がいった。携帯電話がないので、やむを得ず集中することになる」と話した。

カフェ入り口のノートには「スマートフォンなしで落ち着いて本を読めるのが良い」「集中できて満足だ」などとレビューが書かれていた。

ソウルのある日本食レストランでは、会話禁止を知らせる案内文が掲げられている。案内文には「お互いを思いやる配慮と静かな雰囲気の中で食事を希望される方々を対象とした空間として運営されています」という内容が書かれている。

内部は話し声もなく、静かだった。明るい雰囲気のジャズとともに、少しばかりの食器の音が聞こえた。注文はキオスク(無人注文機)を使う。

客は食事に没頭していた。うち1人は「友人と来ても、食事の際に無理して話さなくてもいいので不便を感じたことはない」そうだ。気を使わずに自分のペースで食事できるため、わざわざここを選ぶ人もいる。

ソウル大学トレンド分析センターのチョン・ミヨン研究委員は「デジタル社会にさらされているため逆の環境への熱望が大きいのではないか」とみている。また、一人暮らしの増加がこうした現象に影響を与えたという分析もある。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News