【4月27日 AFP】2024年パリ五輪の聖火が26日、近代五輪の第1回大会が行われたギリシャ・アテネのパナシナイコ・スタジアム(Panathenaic Stadium)で同国五輪委員会(HOC)からフランス側に引き継がれた。

 HOCのスピロス・カプラロス(Spyros Capralos)会長からトーチを受け取ったパリ五輪大会組織委員会のトニー・エスタンゲ(Tony Estanguet)会長は、スピーチの中で、パリ大会の目標は「壮観でありながらより責任ある大会を開催し、よりインクルーシブな社会に向けて貢献していくことだ」と述べた。

 式典にはフランスを代表するアスリート2人が出席し、2022年北京冬季五輪のフィギュアスケート・アイスダンスで金メダルを獲得したガブリエラ・パパダキス(Gabriella Papadakis)と、パラリンピック史上最高の選手の一人である元競泳女子のベアトリス・ヘス(Beatrice Hess)氏が、ギリシャでの最後のリレー走者としてスタジアムに聖火を運んだ。

 聖火はアテネのフランス大使館で一夜を過ごした後、27日に19世紀の帆船「ベレム(Belem)号」でフランスへ移動する。28日には19世紀にフランスの銀行と技術者が建設に貢献したギリシャのコリントス運河(Corinth Canal)を通過し、5月8日に仏マルセイユ(Marseille)へ到着する予定となっている。

 紀元前600年頃に古代ギリシャの入植者が開拓した同都市では、仏競泳選手フローラン・マナドゥ(Florent Manaudou)が最初の聖火ランナーとなる。

 聖火はその後、1万人のランナーによって仏領内64か所にめぐる予定となっている。リレーは本土のほか、カリブ海をはじめインド洋や太平洋にある海外領土の450以上の自治体や、複数の観光地をめぐる1万2000キロの距離で行われ、7月26日に行われる開会式の目玉となる。(c)AFP/Aris MESSINIS and John HADOULIS