【4月29日 CNS】「AIは創造力の革命を起こしており、将来的にはアプリ開発がショート動画を撮るほど簡単になるだろう。話せるだけで開発者になれるので、これからは誰もが開発者、創造者になれるようになる可能性がある」

 4月16日、中国最大の検索エンジンである百度(Baidu)の創業者で、会長兼CEOの李彦宏(Li Yanhong)氏は、大規模言語モデル(LLM)「文心(ERNIE)」4.0のツールバージョンを正式に発表した。彼によると、生成AI「文心一言(ERNIE Bot)」が発表されてから1年以上が経ち、ユーザー数は2億人を超えたという。

「1年前と比べ、『百度文心』のアルゴリズムのトレーニング効率は5.1倍向上し、週平均のトレーニング効率は98.8パーセントに達し、推論性能は105倍に向上し、推論コストは元の1パーセントにまで下がった」と、李会長は述べている。

 つまり、顧客が元々1日に1万回呼び出していたものを、今では同じコストで100万回呼び出せるようになったということだ。コストが99パーセント下がったことで驚く人たちは少ないかもしれないが、企業であれ、開発者であれ、一度使い始めると、最も注目されるのは効果とコストだと、李会長は説明している。

 また、李会長は、LLMを基にAIネイティブアプリを開発するための百度の具体的な戦略を紹介した。彼は、MoE(Mixture of Expertsの略称で、複数の専門家モデルを組み合わせ、より複雑なタスクを効率的に処理するアプローチ)、小規模言語モデル(SLM)、そしてエージェントが注目すべき三つの主要な方向性を指摘した。「これは過去1年間の実践と、数え切れない失敗、そして多額なコストを経て得られた知見だ」 と、李会長は述べている。

 さらに、「百度文心」4.0によって次元削減された小型モデルは、オープンソースから取り出したモデルと比較しても、同じサイズであれば性能が明らかに優れており、同じ性能であればコストが明らかに低いとのことだ。「以前はオープンソースの利用コストが安いと感じられていたが、実際の大規模言語モデルの使用シーンでは、オープンソースが最もコストがかかることがわかった。そのため、オープンソースモデルはますます競争力を失っていくだろう」と、李会長は強調している。(c)CNS/JCM/AFPBB News