【4⽉26⽇ Peopleʼs Daily】華為技術(ファーウェイ、Huawei)無線ネットワーク製品ラインの趙東(Zhao Dong)副総裁はこのほど、5Gの進化系である5G-A(5G-Advanced、5.5G)を紹介する文章を著した。以下は、同文章の主要部分だ。

 全世界の5Gユーザーは15億人を突破した。次の段階の5G-Aはネットワークの性能を10倍以上に向上させ、より複雑で多様化した応用を登場させられる。

 5G-Aは産業に新たな状況を追加する。例えば山東省(Shandong)では、5G-Aやドローン、ロボットを組み合わせることで、発電設備の巡回検査の自動化により検査効率は24倍になり、故障の際の迅速な復旧で、年間の平均停電時間はそれまでの324分から25分に短縮された。

 5G-Aは消費生活も大いに変える。5G-Aは4K/8K動画などの視聴を支え、裸眼3Dや拡張現実(AR)など没入型体験を促進する。2022年の第19回アジア競技大会(杭州アジア大会、19th Asian GamesAsiad)では端末のミニプログラムを通じての没入型3Dスマート観戦が実現した。

 世界の関連企業は5G-A分野で積極的に布石を打ちつつある。2月下旬に開催された2024年のモバイルワールドコングレス(MWC)では、クアルコム(Qualcomm)、エリクソン(Ericsson)、ファーウェイ、中興通訊(ZTE)など世界の多くの関連企業が5G関連の技術製品とサービスソリューションを発表し、約60社が「5.5G商用化元年」構想を共同発表した。フィンランド、マレーシア、ブラジル、トルコなどでは通信事業者30社以上が5G-A関連技術の検証を終えた。アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなどでは、5G-Aがすでに商用段階だ。

 中国では5G-Aの商用利用が加速している。中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)は今年、300都市以上で5G−A商用ネットワークを展開する。中国聯通(チャイナユニコム、China Unicom)は5G-Aにより、低い圧縮率による超高精細映像で世界最速の上り速度を達成した。圧縮率が低ければ解凍に必要な時間は短縮できるが、通信量は増える。すなわち通信速度が増せば、低い圧縮率に伴う問題が解消されることになる。

 中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)も多くの地域で、三つの周波数帯域を同時に結合してより高速で効率的なデータ通信を実現する技術の3CCを導入しており、鉄鋼、鉱山、医療などでの5G-Aの展開を模索している。ファーウェイは2023年10月に世界初の5G-A全シリーズ商用製品とソリューションを発表した。

 5G-Aは5Gが6Gへと進化する重要な段階だ。国際電気通信連合は2023年6月、「2030および未来の発展に向けた枠組みと全体目標に関する提案書」を採択し、6Gに対する見通しを示した。そこに含まれる重要技術は、5G-Aについて現在研究中の標準と7割近くが重複する。つまり、5G-Aの確立は6Gに向けての蓄積でもある。5G-Aの大規模な商業応用の実現を通して、よりスマートで便利な世界がわれわれの前にさらに広がることになる。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News