【4月26日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するレッドブル(Red Bull)の最高技術責任者(CTO)で、F1最高峰のデザイナーと評されているエイドリアン・ニューウェイ(Adrian Newey)氏が25日、クリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表をめぐる騒動の余波が続く中でチームを去る意向であると報じられた。

 65歳のニューウェイ氏は2006年からレッドブルに在籍しており、2010年以降にはチームがドライバーズ選手権で7回、コンストラクターズ選手権では6回にわたりタイトルを獲得するなど、その全てで重要な役割を果たしている。しかしながら、ホーナー代表が女性従業員からセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)や不適切行為で告発されて以降、チームの状況に不満を抱いているとの見方が強くなっている。

 チームの親会社が実施した内部調査でホーナー代表の不適切行為疑惑が晴れた後、告発した女性従業員は停職となり、この決定に関して国際自動車連盟(FIA)に正式に申し立てを行っている。

 独誌アウト・モートア・ウント・シュポルトが25日にこのニュースを最初に報じた後、英BBCは「レッドブルとニューウェイ氏に近しい幹部レベルの情報筋に(情報を)独自に確認した」とした上で、レッドブルの権力闘争に発展しているホーナー代表をめぐる状況に、ニューウェイ氏は嫌気がさしてチームを離れることを望んでいると伝えた。

 一方、レッドブルの広報担当者は同日遅くに、ニューウェイ氏の離脱という明確な意思は「把握していない」とコメント。「エイドリアンは少なくとも2025年末まで契約がある。彼が他のチームに加入することは把握していない」と述べた。

 ニューウェイ氏はその長いキャリアにおいて、これまでウィリアムズ(Williams)やマクラーレン(McLaren)といったチャンピオンチームでも仕事をしている。BBCによると、高い可能性としてフェラーリ(Ferrari)への移籍が取り沙汰されている。(c)AFP