【4月24日 Xinhua News】中国広西チワン族自治区中医薬研究院は、同研究院の中薬資源チームが第4回全国中薬(中国伝統薬)資源全面調査と広西第1回林草(森林・草原)遺伝資源全面調査で植物の新種6種を発見したと明らかにした。研究成果は「Phytotaxa」「Systematic Botany」「PhytoKeys」などの植物分類学の国際学術誌に掲載された。

 見つかったのは①石山油桐(Vernicia calcicola)②美脈假糙蘇(Paraphlomis caloneura)③線葉度量草(Mitreola quanruii)④広西割舌樹(Walsura guangxiensis)⑤洞生香草(Lysimachia cavicola)⑥広西肺筋草(Aletris guangxiensis)だった。

 研究者によると、これら新種は同自治区内の那坡県、靖西市、南丹県、岑渓市などで発見され、形態や生育習性、生育環境にそれぞれ独自の特徴がある。広西肺筋草を除く他の五つの新種はいずれも典型的なカルストの植物に属する。

 今回発見された石山油桐はアブラギリの一種で、油料として高い経済価値を持っている。研究チームのメンバーで広西中医薬研究院・中薬民族薬研究センター副主任の胡仁伝(こ・じんでん)氏によると、中国では現在、オオアブラギリとカントンアブラギリの2品種が栽培されているが、主な栽培地は酸性土壌地域で、カルストのような石灰岩地域での生産量は低かった。胡氏は今回の発見について「アブラギリ産業の発展や新品種の育成、石灰岩地域の荒れ地化対策に新たな発想と素材を提供するもので、科学研究や開発利用の価値がある」と語った。

 広西肺筋草の発見も大きな意義を持っている。研究チームのメンバーで広西中医薬研究院副院長の黄雲峰(こう・うんほう)氏によると、この種が属するキンコウカ科ソクシンラン属は一般的に高標高地域に生育する。世界で25種が確認され、うち5種は北米大陸東部、残りは東アジアに分布している。黄氏は「今回発見された広西肺筋草は標高わずか320メートルと比較的低い場所に分布しており、ソクシンラン属の植生地理学と個体群多様性の研究にとって大きな意義がある」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News