【4月23日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領が2016年の大統領選の直前に不倫問題の口止め料をめぐり業務記録を改ざんしたとされる刑事事件の公判が22日、米ニューヨーク州地裁で行われ、検察はトランプ氏の行為は「選挙不正だ」と主張した。

 マシュー・コランジェロ(Matthew Colangelo)検事補は、トランプ氏が2006年にポルノ俳優ストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さんと性的関係を持っていたことが大統領選に影響を及ぼす恐れがあったために口止め料を支払い、業務記録を改ざんしたと指摘。

「彼(トランプ氏)は犯罪計画を画策し、2016年の大統領選を腐敗させた」「これは選挙不正に他ならない」と糾弾した。

 紺色のスーツに青いネクタイ、襟に星条旗のピンを付けたいでたちで出廷したトランプ氏は、検察による冒頭陳述の間、被告席で正面を見つめていた。

 トランプ氏側の冒頭陳述を行った弁護人、トッド・ブランチ(Todd Blanche)氏は、「トランプ大統領はいかなる犯罪も行っていない」「マンハッタン(Manhattan)地区検察はこの訴訟を起こすべきではなかった」と主張。「選挙に影響を与えようとするのは悪いことではない」「それが民主主義だ」と訴えた。

 この日、検察側の1人目の証人として出廷したのは、タブロイド紙ナショナル・インクワイヤラー(National Enquirer)の元出版社のオーナー、デービッド・ペッカー(David Pecker)氏。同氏は、トランプ氏に批判的な記事を封じるために利用されたと主張している。

 検察側の証人としてはさらにダニエルズさんと、口止め料とされる支払いの手続きをしたトランプ氏の元顧問弁護士マイケル・コーエン(Michael Cohen)氏が出廷するとみられている。(c)AFP/Maggy DONALDSON