【4月22日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のトト・ヴォルフ(Toto Wolff)代表が、レッドブル(Red Bull)に所属する王者マックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)の引き抜きを再びほのめかし、レッドブルのクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表との舌戦を再燃させた。

 フェルスタッペンの父で元F1ドライバーのヨス(Jos Verstappen)氏が先月、レッドブルの女性チームスタッフへの「不適切行為」疑惑が取りざたされたホーナー代表がとどまればチームは「引き裂かれる危険」にさらされると発言していたこともあり、フェルスタッペンの今後には疑問符がついていた。それでもチームの内部調査によりホーナー氏は不問とされ、フェルスタッペン自身も今後はレッドブルに全力を傾けると公言している。

 しかし、フェルスタッペンが21日に行われた第5戦中国GP(Chinese Grand Prix 2024)で圧勝を飾る中、ヴォルフ氏は再び事態にゆさぶりをかけ、同GPが行われた上海で記者団に対して「誰もが彼(フェルスタッペン)が何をするのかを見守っている」と語った。

 来年からフェラーリ(Ferrari)に加入することになったルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)の後任ドライバーを必要としているヴォルフ氏は、「ドライバーの加入にはかなり多くの要因が影響する」とし、「最も合理的な観点からすれば、最も速いドライバーの手にかかれば、最も速いクルマになるのは明らかだ」とコメントし、「しかし、それが今の場所にとどまる唯一の理由だとは思わない」と続けた。

 今季序盤、ヴォルフ氏は世界王者フェルスタッペンとの契約が可能であれば「ぜひともしたい」と述べていた。

 この発言に対してホーナー氏は、高い基準からすれば低調なスタートとなったチームの活性化にヴォルフ氏は注力すべきだと、痛烈に切り返した。

 ホーナー氏は「メルセデスはカスタマー(マクラーレン<McLaren>とアストンマーティン<Aston Martin F1>)に次ぐ3番手だ」とし、「彼はその時間を、おそらくドライバー市場よりもチームに集中させることに費やしたほうがよいだろう」と続けた。

「なぜこのチームをやめたいというのか?」

「マックス・フェルスタッペンが来年どこにいるのかについて、何の曖昧さもないことを保証する」 (c)AFP