【4⽉23⽇ Peopleʼs Daily】中国国外で、中国の越境電子商取引プラットフォーム(越境ECサイト)で中国製品を探して購入する人が増えている。

 ある業界関連報告によると、2023年の世界のショッピング関連アプリのダウンロード数では、希音(シーイン、SHEIN)が第1位で、拼多多(Pinduoduo)傘下のTemuは第2位、アリババ(Alibaba)は第7位、アリエクスプレス(AliExpress)は第9位、拼多多は第10位だった。

 Temuは米国市場に進出した。関係者によると、米国市場向けに扱う商品は400万品目近くに増えた。アップル(Apple)やグーグル(Google)などによる主要アプリストアで、Temuのダウンロード数は長期にわたり第1位だ。また、1日当たりの海外向け発送は40万件余りだが、半数以上が米国向けだ。

 越境EC輸出の急発展の背景には、中国の製造全体の実力が向上し、品質面でも価格面でも高い競争力を持つ製品を生産できる工場が増えていることがある。

 中国国際ECセンター研究院の李鳴涛(Li Mingtao)院長は、中国の越境ECサイトに対する国外での人気が高まった理由を「世界的なインフレにより安価な良品に対する需要が強まりました。中国のECサイトが扱う商品は一部の海外のECサイトよりも価格競争力が極めて強いのです」と説明した。価格面での強みは、ECサイトが製造元と直接に提携するために中間業者が存在しないことや、宅配便を利用するために税金や倉庫コスト、配送などで有利なことなどで創出されている。また、中国のECサイトは現在も拡大期で、ユーザーへの「各種還元」などでシェア獲得を図っていることも、消費者にとって事実上の価格面での恩恵をもたらしているという。

 中国の越境ECサイトの海外での台頭は、中国の中小企業の良好な「海外進出」をけん引している。中国では多くの越境ECサイトがトラフィック誘導、物流、アフターサービスなどを請け負っており、業者は商品を出品するだけで「店主役を果たす」ことができる。製造元にとって必要だった英語が堪能な人員の確保も、かつてほど重要ではないとされる。製造元は今や、自社製品をしっかり理解して商品を供給するだけでよいという。

 またSHEINのように、産業チェーンの川上と川下に高度に情報化をすることで、柔軟なオンデマンド生産を実現して在庫圧力を軽減する取り組みも進められている。

 越境ECでもコンプライアンスは重要な問題だ。李院長によると、中国の各ECサイトは知的財産権の保護に力を入れており、偽造品問題を根絶するために厳格な関連措置を制定している。Temuの関係責任者は、「知的財産権侵害やダンピングなどの問題を発見したり関連するクレームを受けたりした場合には、直ちに商品の販売を停止して、実際の状況に応じて処置を行います」と説明した。

 サプライチェーンの進化、ECサイトのモデルの革新、製品競争力の向上に伴い、海外の消費者のショッピングカートにより多くの中国の商品が入れられると信じる。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News