【4⽉22⽇ Peopleʼs Daily】ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)とは、脳内の微小な電気活動とコンピューターを直接に結び付けることだ。人と機械の「交流」における次世代技術であり、経済・社会の発展を促進し、人びとの健康問題を改善する未来産業になると期待されている。

 医療はBMIの最も主要な応用分野だ。北京脳科学類脳研究所の羅敏敏(Luo Minmin)共同所長は、「てんかんやうつ病などの病気の治療、画像を電気信号化して大脳の視覚皮質を刺激し、視覚障害者に一定の視覚を回復させることなどがあります。期待されるBMIの応用です」と述べた。

 近年になり、生物医学工学、神経工学、リハビリテーション工学、認知神経科学と心理科学、人工知能(AI)などの発展に伴い、脳と機械の「直接会話」の技術の進歩が加速し、産業化の発展も鮮明に加速した。2014年にブラジルで開催されたFIFAワールドカップ(2014 World Cup)では、まひのある青年のジュリアーノ・ピント(Juliano Pinto)さんがBMI技術に助けられて開幕時のキックインセレモニーをした。世界では多くのチームが患者の「意思タイピング」「意思発話」などを実現するBMI技術を開発している。

 中国の第14次五か年計画綱要は、脳型知能などの先端科学技術と産業変革の分野で未来型産業の育成を加速することを提唱した。中国ではBMIを取り巻く環境が絶えず改善され、技術革新が繰り返されることで製品やサービスが日増しに豊富になり、大規模化の方向に向かって発展している。

 北京脳科学類脳研究所は2023年初めに、3~5年内に頭部内に機器を埋め込む侵入型BMIでの重要技術を獲得し、臨床での初歩的な応用の実現を目指す「スマート脳機械システム強化計画」に着手した。北京市ではさらに「ファンド+企業」の組織モデルのために北京北脳創業投資基金とBMI関連の技術開発企業の北京芯智達神経技術が設立された。同社は中国国内の多くの大学や研究所の協力により10余りのプロジェクトを立ち上げて、段階的な進展を達成している。

 天津大学(Tianjin University)の神経工学チームは、中国で最も早くBMIの研究に取り組んだ研究チームの一つだ。同大学の明東(Ming Dong)副学長によると、BMIの「神工」シリーズの製品は能動的リハビリテーションの脳皮質と筋肉活動の同時統合を実現し、スポーツやリハビリテーション分野での飛躍的成果を上げた。神経調整式機械外骨格システムの「神工—神甲」では、コア部品が国家医療機器登録を認められ、その中核技術については中国の多くの病院で1000件以上の臨床試験が実施されているという。

 明副学長は、「中国のBMIはソフトウエア、重要アルゴリズム、典型的な応用などで、革新的な進展を遂げています。応用をさらに広げるためには、今後も革新を探求し、実践を通じて効果を検証する必要があります」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News