【4月19日 AFP】中国が影響力を高めようとしている南太平洋・ソロモン諸島の総選挙で、19日に公共放送が報じた総選挙の暫定結果によると、人口が最も多いマライタ(Malaita)州の親中派として知られるマーティン・フィニ(Martin Fini)知事の落選が確実となった。

 中国がソロモン全域を影響下に置こうとする中、マライタ州はその流れに逆らい、中国による援助や投資の受け入れを長年拒否してきた。

 前知事のダニエル・スイダニ(Daniel Suidani)氏は、中国の資金がいつか「ひも付き」となることを懸念してなびかなかった数少ない州知事の一人だった。スイダニ氏率いる州政府は中国による支配を憂慮し、ソロモンで必須とされる携帯電話の基地局を中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ、Huawei)が建設するのも阻止した。

 だが人気のあったスイダニ氏に代わり昨年、フィニ氏が州知事に就任すると状況は一変。フィニ氏はマライタ州で中国の急速な権益拡大を主導した。在ソロモン中国大使館は、フィニ氏が中国を「確固として支持」していることを称賛している。

 現在も同州の有力政治家であるスイダニ氏は今週、AFPに対し「非常に気掛かりなのは、この国における(中国共産党の)影響力だ」と語った。

 スイダニ氏は昨年初めに不信任決議案を可決され失職したが、この動きの背後に中国の存在があったのではないかと疑っている。

 スイダニ氏の広報担当者は19日、AFPに対し、州知事への返り咲きへ向けて順調に進んでいると語った。(c)AFP