【4月18日 CNS】遺言書にデジタル資産を盛り込む若者が中国で増えている。中国メディアによると、2017年から2023年までに、デジタル資産についての記述を盛り込んだ遺言は、民間データベース「遺言書ライブラリー」上で計488通になった。このうち、登録申請件数が最も多いのは北京市、上海市、広東省(Guangdong)で、それぞれ162件、147件、129件と全体の89パーセント以上を占めた。

 遺言書ライブラリーのスタッフが、遺言書に含まれるデジタル資産を分類、整理した結果、電子マネーや暗号資産、SNS投稿などの電子データに大別されたという。

 最近、遺言書を作成した若い女性は「私のデジタル資産はいくつかのソーシャルアカウントです。普段からプラットフォーム上にたくさんの写真や動画を投稿しています。万一、不幸にして他界したとしても、これらを両親に残したいと思っています」と話す。

 デジタル資産は相続することができるか。中国人民大学(Renmin University of China)の竜翼飛(Long Yifei)教授は、「中国民法第127条は、ネットワーク上のデジタル資産は国民の法的財産であることを明確に定めている」と述べる。したがって、遺言書を作成することでデジタル資産を保護し、相続できる可能性もある。

 日本のドラマ『dele(ディーリー)』でも、主人公のチームがデジタル遺産の処理サービスを提供しており、死に瀕(ひん)した人が、スタッフに自分の死後の遺言の削除や保管を任せるシーンが出てくる。

 米アップル(Apple)も、デジタル遺産プログラムを始めている。Appleユーザーは生前に指定しておいたユーザーが所定の手続きを済ませることで一部のデータにアクセスできるようになっている。

 ただし、アカウントやオンライン上のデジタル資産を実際に相続できるかどうかは、ネットワークサービスを提供するプラットフォームが相続を許可しているか、関連法令や法令に違反していないかなどによって異なる可能性があるため、注意が必要とされている。(c)CNS/JCM/AFPBB News