【4月17日 Xinhua News】中国在住の日本人監督、竹内亮氏が手がけたドキュメンタリー映画「劇場版 再会長江」の鑑賞交流会が15日、東京で開催された。日本雲南聯誼協会が主催、中日両国の130人余りが参加した。作品は12日に日本で公開されると、ミニシアター観客動員数ランキングで2位となり、注目度が高まり続けている。

 作品は長江沿岸6300キロ以上の自然風景とともに、そこで暮らす人々の10年間の変化を伝えることで、中国経済の急速な発展と一般の人々のリアルな日常を描いた。

 在日中国大使館の楊宇(よう・う)公使は交流会で、同作が日本の各界人士と在日同胞各民族に対し、新時代の中国の発展と変遷の理解の増進に新たな視点を提供することを信じていると表明。より多くの日本人が作品を通して真の中国を知り、中国を訪れて魅力を体感してほしいと述べた。

 竹内監督は長江の撮影を始めたきっかけについて「南京に住み、毎日長江を目にしている。通勤時や子どもを連れて長江沿いにある公園で遊んでいるので、知らず知らずのうちに愛着と理解が深まった」と紹介。長江沿岸の上海、南京、武漢、重慶などの都市は日本人に知名度があり、赤壁の戦いなどの三国志関連の遺跡や雲南省などの少数民族の文化も日本人は大好きで、中国の他の川と比べると長江はよりなじみがあるとし、長江をきっかけに中国を知ってもらいたいと考えたと述べた。今後は黄河沿岸をテーマに撮影したいという。

 交流会には作品の主人公となったチベット族の女性、仁青茨姆(レンチンツームー)さんも登場、参加者が次々と記念撮影の列を作った。横浜から来たという日本人の参加者は「観光地で子羊を抱き観光客と記念撮影をして生計を立てる『マッチ売りの少女』だったツームーさんが、10年間で腕利きの民宿オーナーへと成長していて感動した」と述べ、同作を日本で上映することで日本人の中国に対する理解の促進に役立つと話した。

 上智大学の博士課程に学ぶ中国のモンゴル族の女性タナさんも交流会に駆けつけ、ツームーさんに哈達(カタ、モンゴル族などが敬意を表すために用いる帯状の布)を贈った。タナさんは自分が取り組んでいるフィールドワークは同作から触発された部分も多く、同じ少数民族のツームーさんの生きざまに気持ちを奮い立たされたとし、中国少数民族の精神的な側面を多くの人に見てもらえてとても嬉しいと話した。

 日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)理事で東京大学名誉教授の刈間文俊氏は鑑賞を終えて、同作の最も魅力的な点は人と人とのつながりを重視しているところにあると評価。「ツームーさんのように非常に純粋で、夢を実現しようと努力し続ける中国人が大勢いる。そういった人たちの姿を日本人に紹介しているいい作品だ」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News