【4月16日 CNS】蘭州(Lanzhou)鉄路局国際旅行社寧夏(Ningxia)鉄路局国際旅行社(以下、寧夏鉄旅)主催のY173「西部周遊鉄道の旅」の特別列車が5日、香港、珠海市(Zhuhai)、マカオへの旅行客606人を乗せ、銀川(Yinchuan)駅から16日間の旅行に出発した。

 63歳の陳勝利(Chen Shengli)さんは、今回は友人たちと一緒にグループ旅行をしており、その参加者の多くは高齢者だ。待合室で、陳さんは「私たちは40人のグループで、お互いに知り合いなのです」と話した。陳さんは、月に5000元(約10万円)以上の年金を受給しているため、「経済的な負担はありません。ただ外出して遊び、リラックスしたいです」と述べている。

「時間もお金もある」シルバー世代は、旅行への意欲が増している。『中国国内旅行発展年次報告書(2022〜2023)』によると、2021年には45〜64歳の年齢層の旅行は延べ9億200万回分に相当し、市場全体の27.80パーセントを占め、観光市場の最大の顧客層となっている。

 高齢者観光市場の拡大につれ、高齢者層向けのツアー商品が続々と登場している。寧夏鉄旅の責任者、周宏強(Zhou Hongqiang)氏の紹介によると、高齢者の観光客の多さに注目し、「西部周遊鉄道の旅」の特別列車を提供している。この列車の特徴は「高速移動とゆっくり観光」「直通運転」「途中乗り換えなし」で、観光地での滞在時間を長く取って、全行程に医師と専任ガイドを配置することで観光客の安全を確保している。

 若者が好む「思い立ったらすぐ行く」旅行スタイルとは異なり、高齢者はグループ旅行を好む傾向にある。中国のオンライン旅行プラットフォーム、携程(Trip.com)が発表した『2023年シルバー世代旅行行動インサイト』によると、団体旅行は高齢者にとって最も好まれる旅行スタイルであり、2023年の関連の予約は全体のほぼ半分を占めている。

 中国の高齢化の加速と社会経済の発展に伴い、シルバー世代の物質的・精神的なニーズが高まり、文化観光や健康養生を統合した新たな養老スタイルが徐々に形成されている。例えば、寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)では、地元の民政庁が福建省(Fujian)、広東省(Guangdong)、山西省(Shanxi)、雲南省(Yunnan)など13の省と区の民政庁と「旅行養老に関する協力枠組み協定」を締結し、旅行と養老分野の相互協力の共同推進メカニズムを確立している。

「関連する政策やサービス措置が整備されるにつれ、『旅行養老』を代表とする新たな養老スタイルが高齢者から歓迎されている」と、寧夏民政庁の老齢業務・養老サービス処の宋亜東(Song Yadong)処長は述べている。現在、関連部門は養老サービス業の発展をさらに促進し、シルバー世代に合わせたサービスを提供し、「養老」から「享老(老後を楽しむ)」への変革を支援している。(c)CNS/JCM/AFPBB News