【4月15日 CNS】近年、中国国内の墓地価格の上昇傾向が続いている。

 北京市、上海市、広州市(Guangzhou)、深セン市(Shenzhen)の4大一線都市の墓地の平均価格について、4月1日15時現在のインターネットの墓地選択プラットフォーム「墓団網」の参考価格を見てみると、北京の墓地の平均最低価格は8万3100元(約176万円)、上海は約9万9900元(約212万円)、広州は4万3300元(約92万円)、深センは6万4100元(約136万円)となっている。

 葬儀業界といってまず言及されるのは、「香港株式市場の葬儀業界第一株」と称される「福寿園」だ。

 福寿園は二次市場で数少ない葬儀サービス業者であり、2013年に香港証券取引所に上場した際には、その純利益はすでに10億元(約212億円)を超えていた。最新の財務報告によると、福寿園は昨年26億2800万元(約557億円)の収益を実現し、前年同期比約21.0パーセントの増加だった。株主に帰属する純利益及び総収入は約7億9100万元(約168億円)で、前年比同期比約20.1パーセント増加した。

 2018年から2023年にかけて、福寿園の営業用墓穴の平均販売単価は、それぞれ前年比で7.5パーセント、3.2パーセント、約5パーセント、約2.9パーセント、6.4パーセント、1.4パーセントと上昇し、6年連続の成長を遂げている。

 昨年、福寿園の生前契約ビジネスの契約数は成長を続け、合計1万7707件で、2022年比で5.7パーセントの増加を記録した。さらに、延安洪福の100パーセントの株式を取得し、陝西省(Shaanxi)での事業を拡大させている。

 福寿園の財務報告書では、仮想現実(VR)、デジタルヒューマン、人工知能(AI)などのキーワードがよく出てくる。

 同報告書によれば、福寿園は、上海福寿園にVR環境システムを完成させ、オンラインサービスをさらに拡大するための基盤サポートを提供している。また、デジタルヒューマン技術を実用化し、2Dと3Dの表示方法で故人を再現し、AIを用いた知識ベースのトレーニングにより、自由なコミュニケーションを可能にしている。さらに、AIとAI生成コンテンツ(AIGC)技術を用い、故人と家族とのコミュニケーションやインタラクションの新たな可能性を探求している。

 葬儀業界では、デジタルやテクノロジーの要素を取り入れ始めた地域もある。2023年初頭、北京では「デジタル技術による葬儀」という新たなコンセプトが始めて導入され、五つの霊園で合計7000近くの「デジタル墓」が設置された。これらの墓の単価は3万元(約63万円)から10万元(約212円)で、リース期間は20年だ。北京では土地は希少資源であり、多くの共同墓地はすでに飽和状態にあるため、デジタル技術を活用した葬儀は、土地の節約やエコな埋葬を推進する上で非常に重要な意義を持っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News