【4月15日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は14日、イランによるイスラエルに対するミサイル・無人機攻撃を受けて緊急会合を開催した。イスラエルがイランへの追加制裁を求める一方で、イランは攻撃する以外に「選択肢はなかった」と主張した。

 イランは13日、史上初めてイスラエル領に向けて直接攻撃を実施。イスラエルが今月1日、在シリア・イラン領事館を空爆したとみられることへの報復だとしている。

 イスラエルのギラド・エルダン(Gilad Erdan)大使は会合で「手遅れになる前にあらゆる可能な制裁をイランに科す」よう訴えるとともに、「イランによるテロ行為に対する非難」を呼び掛けた。

 これに対しイランの アミール・サイード・イラバニ(Amir Saeid Iravani)国連大使は、イランは「固有の自衛権」を行使しただけであり、それ以外の「選択肢はなかった」と反論。イランとしては「エスカレーションも戦争も望んでいない」が、いかなる「脅しや攻撃」にも対応すると述べた。

 またアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は、「中東地域も世界もこれ以上の戦争をする余裕はない」とし、緊張緩和に向けた努力を訴えた。

 一方、米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー(John Kirby)戦略広報調整官はNBCテレビに対し、「われわれはイランとの全面戦争を望んでいない」と語った。
 
 ある米政府高官は匿名を条件に、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に対し、今回のイランの攻撃に対する報復に踏み切る場合、米政府は軍事支援しないと伝えたと明かした。

 高官は「(イスラエル側の)いかなる対応にもわれわれは参加するつもりはない」と話した。(c)AFP/Sophie Makris and Laurie Churchman