【4月15日 AFP】イランが13日、イスラエルへの報復攻撃に踏み切ったことについて、多くの国がイランを非難し、中東情勢の一段の不安定化を招きかねないと警鐘を鳴らした。

 以下、主な反応をまとめた。

■国連

 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は、「中東全体へのエスカレーションにつながる極めて危険な状況を深く憂慮している」とし、「中東の複数の前線で大規模な軍事衝突を引き起こすような行動は回避」するよう呼び掛けた。

■EU

 欧州連合(EU)のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)欧州委員長はX(旧ツイッター)でイランに対し、攻撃を「直ちに停止」するよう求めるとともに、すべての関係者に対し、「さらなるエスカレーションを控え、中東地域の安定回復に努めなければならない」と訴えた。

■G7

 先進7か国(G7)首脳は、オンライン会議を開催後に声明を発表。「イスラエルおよび同国国民への全面的な連帯と支持」を表明し、「イスラエルの安全保障に対するわれわれの責務を再確認した」と述べた。また、不安定化を招くイランの行動に応じて、「さらなる措置を講じる用意がある」と警告した。

■米国

 ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、安全保障に関する緊急会合後、「イランと代理勢力からの脅威に対処するイスラエルの安全保障に、われわれは鉄壁の支援を行う」とXで表明した。

■エジプト

 外務省は「最大限の自制」を求めるとともに、「すべての紛争当事者に直接働き掛け、事態の収束を図る」考えを示した。

■イラク

 アブデル・ラティフ・ラシード(Abdel Latif Rashid)大統領は、「緊張の緩和」を呼び掛けるとともに、パレスチナ問題は中東の安定の要となるとし、「パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃を停止し、パレスチナ問題の解決策を見いだす必要がある」と強調した。

■カタール

 イスラエルおよびイスラム組織ハマス(Hamas)との協議を続けているカタールは、国際社会に対して「緊張を緩和し、危機的状況を回避するための緊急行動を取る」よう呼び掛けた。

■サウジアラビア

 外務省は全当事者に「最大限の自制と、中東地域と地域住民を戦争の危険から守る」よう要請。国連安全保障理事会(UN Security Council)に対しては、「国際平和と安全を維持する責務を引き受ける」よう求めた。

■シリア

 国営シリア・アラブ通信によると、ファイサル・メクダド(Faisal Mekdad)外相はイラン外相と電話会談を行い、「イランの対応は自衛のための当然の権利だ」と伝えた。

■トルコ

 外務省は、「さまざまな事態が引き金となり、新たな中東戦争が勃発しかねない」ことが示されたとし、各方面に自制を呼び掛けた。

■ロシア

 外務省は「中東地域の危険なエスカレーションを極めて懸念している」とし、「中東諸国に対して、政治的・外交的手段で既存の問題を解決するのを期待している」と表明した。

■ウクライナ

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodomyr Zelensky)大統領はイランの行動について、「中東全体と世界中に脅威を与えている。ロシアの行動が紛争を拡大する恐れがあるのと同じだ」と非難。

「恐怖を拡散している(イランとロシア)両政府は明らかに協力関係にあり、各国は団結し、毅然(きぜん)とした態度で対応しなければならない」とXで警告した。

■中国

 中国政府は当事者に自制を促すとともに、今回の問題は「ガザ紛争の余波」だと指摘。ガザでの即時停戦を求める国連安保理決議の履行を呼び掛けた。(c)AFP