【4月12日 AFP】米ホワイトハウス(White House)で11日、日米フィリピンによる初の首脳会談が行われ、3者は共同声明で南シナ海(South China Sea)における中国の動向に「深刻な懸念」を示した。

 初の日米比首脳会談は、領有権争いが続く南シナ海で中国とフィリピンの船舶が衝突を繰り返し、紛争拡大の恐れが強まる中で行われた。

 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、訪米中の岸田文雄(Fumio Kishida)首相、合流したフィリピンのフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領に対し、「日本とフィリピンに対する米国の防衛コミットメントは鉄壁だ」と発言。

「南シナ海でフィリピンの航空機、船舶、軍部隊が攻撃されることがあれば、相互防衛条約が発動されるだろう」と述べ、同海域でのいかなる攻撃からもフィリピンを防衛することを約束した。

 前任者のロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領よりも米国寄りと見られているマルコス氏は、「ルールに基づいた国際秩序への揺るぎないコミットメント」を共有していると述べた。

 また岸田首相は「重層的な協力が重要」であり、「今日の会合は歴史的」と述べた。

 日米は前日行われた首脳会談で、覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、防衛分野での連携を刷新・強化することで合意した。バイデン氏は会談後の共同記者会見で「同盟発足以来、最も重要な刷新」となると述べた。

 また岸田首相は同日の米議会での演説で、中国の台頭によるリスクを警告。日本は米国の「グローバルパートナー」であり、米国との責任共有をさらに推し進める用意がある姿勢を示した。

 3か国はさらにオーストラリアを加えた新たな合同海洋演習を発表する予定となっている。(c)AFP