【4月11日 AFP】韓国総選挙(定数300、10日投票)は11日、開票作業が終了し、革新系の最大野党・共に民主党が単独過半数の175議席(改選前156)を獲得し圧勝した。尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領の保守系与党・国民の力は系列政党を含めて108議席(同114)にとどまり、惨敗した。尹氏は任期を3年残しているが、レームダック(死に体)化が避けられない情勢となった。

 地元メディアによると、国民の力が惨敗したのを受け、与党トップの韓東勲(ハン・ドンフン、Han Dong-hoon)氏や韓悳洙(ハン・ドクス、Han Duck-Soo)首相ら幹部が辞意を表明した。

 李官燮(イ・グァンソプ)大統領秘書室長によれば、尹氏は「総選挙で示された民意を謙虚に受け止めて国政を刷新し、経済と国民生活の安定化に向け最善を尽くす」と語った。

 しかし、明知大学の申律(シン・ユル)教授は、総選挙では超タカ派的な立場から尹政権を批判する候補が相次いで当選した点を挙げ、「超党派間の協力は容易ではないだろう」と予想する。

 韓国は経済格差の拡大や住宅価格高騰、若年層の失業増といった問題を抱えており、保守系紙・朝鮮日報は、尹氏は就任以来「最大の政治危機」に直面していると論評した。

 一方、地滑り的勝利を収めた共に民主党の李在明(イ・ジェミョン、Lee Jae-myung)代表は11日朝、記者団に対し「これは共に民主党の勝利ではなく、国民のための偉大な勝利だ」と述べた。

 共に民主党は、若い世帯への現金給付、学校制服の無償化、出産支援金支給といった公約が支持されたとみられる。(c)Kang Jin-kyu / Claire LEE