【4月11日 AFP】カタール・ドーハの空港で、産み捨てられていた新生児の母親を特定するため女性乗客が下腹部の検査を強要された問題で、オーストラリア連邦裁判所は11日、国営カタール航空(Qatar Airways)を相手取り訴訟を起こしていた一部女性の訴えを退ける判断を下した。

 問題は2020年に発生。空港のトイレで新生児が見つかったのを受け、ドーハ発のカタール航空の10便の女性乗客を対象に検査が行われた。

 このうちオーストラリア人女性3人が、暴行を受け、収容施設に不当に入れられたとして提訴していた。

 しかし連邦裁判事は、3人は機内で検査されたわけではないとして訴えを棄却。ただし、空港の運営会社を相手取って損害賠償を請求する道は残されているとした。

 この問題は波紋を呼び、オーストラリア政府は同国に乗り入れるカタール航空便の増便を拒否。一方、カタールのハリド・ビン・ハリファ・ビン・アブドルアジズ・サーニ(Khalid bin Khalifa bin Abdulaziz Al Thani)首相は女性らに対し、「心よりの謝罪」を表していた。(c)AFP