【4月9日 AFP】国際環境団体のサーフライダーファウンデーション(Surfrider Foundation)は8日、パリ五輪の開幕まで約100日に迫る中で、水泳競技などが予定されているセーヌ(Seine)川の水質汚染について警鐘を鳴らした。

 仏南部ビアリッツ(Biarritz)に拠点を置く同団体は、冬の間6か月にわたって分析した検査の結果、セーヌ川の水が汚染されたままで潜在的な危険があると結論づけた。公開書簡の中では「セーヌ川の水質だけでなく、汚染された水の中を動くアスリートが直面するリスクについて高まる懸念を、利害関係者と共有したい」と述べている。

 パリ当局は現在、7月26日の開幕までに大会の中心地となるセーヌ川を浄化するべく、時間との闘いを迫られている。セーヌ川では開会式が予定されており、その後も汚染状況を踏まえつつ、オープンウオータースイミングとトライアスロンの会場として使用する計画となっている。

 セーヌ川の浄化は2024年パリ五輪の重要なレガシーの一つとして推進されており、パリのアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長は、来年にもセーヌ川周辺に3か所の公共水浴場を造る計画を立てている。

 市長とエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領はまた、1923年にセーヌ川での遊泳が禁止されてから1世紀あまりとなる中で、安全を証明するために大会前にこの川でひと泳ぎすると公約している。

 映像は5日撮影。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT