【4月9日 AFP】(更新)中国の王毅(Wang Yi)共産党政治局員兼外相は9日、2日間の日程で同国を公式訪問したロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と会談し、両国の戦略的協力を強化する考えを示した。ロシア国営メディアが報じた。

 王氏はこの日の会談で、「中国は(ウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)大統領が主導するロシアの安定した発展を支援していく」と約束。

「中ロは今後も、国際舞台で戦略的協力を強化し、手厚い支援を相互に提供していく」と述べた。国営ロシア通信が伝えた。

 またロシアの日刊紙イズベスチヤによると、王氏は「人民の支持はロシアの進歩の源」「プーチン大統領の強力なリーダーシップの下、ロシア国民の前途は明るい」とも述べた。

 一方のラブロフ氏は、大統領選で再選を果たしたプーチン氏に「習近平(Xi Jinping)国家主席からいち早く祝辞が届いた」とし、「友好国・中国のこうした支援に感謝する」と王氏に述べた。イズベスチヤ紙が会談の様子を捉えた動画を公開した。ロシアの大統領選をめぐっては、実質的な対抗馬が不在の中で行われた。

 両者はパレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)とウクライナでの紛争についても話し合った。

 王氏は「中国は責任ある大国として、それぞれの状況について独自の立場を決定する」とし、「国際舞台で建設的な役割を果たし、火に油を注ぐようなことは決してしない」と伝えたことを明らかにした。

 中ロ両国はここ数年、経済協力と外交関係を緊密化させており、ロシアによるウクライナ侵攻開始以降は戦略的パートナーシップを強化している。

 ただ専門家は、ロシアが国際的に孤立を深める中、優位に立っているのは中国で、影響力を増しているとの見方を示している。(c)AFP