【4月7日 AFP】南米エクアドルの治安部隊が5日夜、首都キトにあるメキシコ大使館に突入し、政治亡命を求めていたホルヘ・グラス(Jorge Glas)元副大統領の身柄を拘束した。これを受けメキシコはエクアドルとの国交断絶を発表、他の中南米諸国からも非難が相次いだ。

 エクアドルの治安部隊は、壁などを打ち壊すための金属棒を携えて大使館を取り囲み、隊員少なくとも一人が壁をよじ登った。

 メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領はX(旧ツイッター)で、当局は大使館建物に「強制的に立ち入った」とし、「国際法とメキシコの主権に対する目に余る侵害だ」と非難した。その上で、エクアドルを国際司法裁判所(ICJ)に提訴する意向を示した。

 ニカラグア、アルゼンチン、ブラジル、チリなど他の南米諸国もエクアドルを非難した。

 グラス氏には汚職の容疑で逮捕状が出されており、昨年12月からメキシコ大使館に逃れていたが、5日、亡命が認められた。

 外交関係に関するウィーン条約では、大使館は不可侵と定められている。(c)AFP/Paola Lopez and Santiago Piedra with Sofia Miselem in Mexico City