【4月6日 AFP】ロシアの捜査当局は5日、モスクワのコンサートホールで3月22日に発生した銃撃事件について、容疑者の一人の携帯電話から親ウクライナ姿勢を示すデータが見つかったと発表した。

 140人以上が死亡したこの銃撃については、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が何度も犯行声明を出している。だがロシア政府は再三にわたり、ウクライナと西側が関与したと主張。一方のウクライナと西側は繰り返し否定するとともに、ロシアが銃撃を利用しようとしていると非難している。

 ロシアの捜査当局は5日、容疑者の一人が携帯電話で、銃撃が起きたコンサートホール「クロッカス・シティー(Crocus City)」の写真を2月24日に収集し、他の容疑者に送付したことがデータから明らかになり、「供述書ですべてを認めた」と発表した。この日は、ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めてから2年の節目に当たる。

 重大事件を担当するロシア連邦捜査委員会(Investigative Committee)も、同じ携帯電話から、破壊された建物の前で迷彩服姿の男たちがウクライナ国旗を掲げている写真を発見したと発表。「このデータは、銃撃とウクライナ紛争のつながりを示している可能性がある」としている。

 容疑者4人がモスクワの法廷に連行される際、暴力的な尋問を受けた形跡が見られたことから、ロシアの尋問の正当性には疑問の声が上がっている。(c)AFP