【4月6日 AFP】米北西部オレゴン州で先週、絶滅危惧種に指定されているサケの一種、マスノスケ(キングサーモン)の稚魚を輸送していた大型トラックが山岳地帯で転覆し、数万匹が近くの小川に逃れた。当局が明らかにした。

 事故が起きたのは3月29日。全長16メートルのトラックが転覆したのは、稚魚たちにとっては運よく、小川の真横だった。

 オレゴン州米魚類野生生物局(Oregon Department of Fish and Wildlife)は、「トラックが転覆し、約7万7000匹の稚魚が小川に流れ込んだ」としている。

 運転手は軽傷だった。

 残念ながら、2万5000匹は川にたどり着けず、車内や土手で死骸が回収されたという。

 キングサーモンは通常、川で生まれ、海に出て数年間かけて成長した後、生まれた川に戻って子孫を残して死ぬ。

 干ばつに見舞われた河川は、水量が少な過ぎるか水温が高過ぎて稚魚が育たないため、野生生物局は毎年、数百万匹の稚魚をふ化場で育て、トラックで海まで運んでいる。

 こうした道路輸送は1980年代から行われているが、生息数の急減に伴い、近年は増加している。(c)AFP